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ベッドの上の夢だからだ
いつもと違うベッドで寝る。目が醒めると背中の筋肉がカチコチで痛い。原因はマットレスのスプリング(コイル)が合っていないからだと。案外、体なんて体の下にある構造、ここではスプリングの反発によってそのつど作られれているにすぎないってわけだ。
ベッドのマットレスはできうる限りどんな体型の人にも合うように作られている。つまり、平均的人間像によってその構造を管理している。そうは言っても、諸個人は平均からはちょっとずつでもはみ出すわけで、それらの人々にも対応しうるように改良を重ねる。どんなに心地よいマットレスが出来たとしても、寝てみるとどうにもしっくり行かない私を発見したりして、近代的自我なんてこんなふうに心地よいベッドに寝転がって思いついたんじゃないかな。
詳細に分析すると、
マットレスの反発を体の諸部分が経験として受け取り、それをマットレスの構造がマットレスを構成する。
仰向けになった時に背中とマットレスの境目を確定するのはかなり困難。寝る前にでも確認してほしい、思ってたような体だけを取り出すのはなかなか難しいと。
体が変わるのはスプリングが合わないというような構造の危機に限ったことではない。全く新しい構造によってもありえる。
ウォーターベッドはなんとも言えない浮いてる感じ?浮かされてる感じ?で今までの身体じゃコントロールできない、いやそもそもそれを想定することがなくなる。
従来のベッドは面で受けた荷重を直立したスプリング(コイル)を経て下のフレームから底面へ流すという、床への荷重を柱で受け応え布基礎へ流すラーメン構造と似たようなものである。しかも免震構造?!ところがウォーターベッドはいろいろな構造があるもののスプリング(コイル)間とフレームの隙間を埋めるかのごとく水が充填されスプリング(コイル)あるなしに関わらず荷重を面から分散して受け応え、その上でおおよそ考えうる限りの荷重、荷重分布、荷重移動に流動的に対応できる。
ある荷重に対応してそのつど構成された応力(構造)が即座に他の応力(構造)を可能とする水の塊に解体されてしまう。なんとも言えない浮遊感は、静的な身体や解消できない私なんて、もはやどこにもなく、そのつど構成された応力(構造)による一回きりのからだとそのからだを解体しあらゆるからだの可能性に対応するための分散し流動的な体以前の状態、こんな二重階層のからだによるものだった。。。いや、でも水はウォーターバッグと呼ばれる部分に収まっていて、あらゆる可能性なんてものがウォーターベッドの構造から想像された全体像なんじゃないかと。
ウォーターベッドは歴史は結構古いのだが、現在のようなウォーターベッドは1968にサンフランシスコ州立大学の学生チャールズ・ホール(Charles Hall )が思いつきデザインした。しかし、特許申請したところ、世界SF作家ビッグ3の一人ロバート・A・ハインラインがそれよりも早く、「Beyond This Horizon」(1942)や「異星の客」(1961)に記述していたという理由で却下されてしまう。1970年代にアメリカを中心に商品化され、日本には諸説あるようだが1978に入ってきたとのこと。日本での普及のきっかけになったのは、1986に渋谷パルコ・SR6で10社ほどが集まって開かれた日本初のウォーターベッドショーらしい。
最近はウォーターベッドの構造をより進化させた低反発ゲルによるマットレスや数年前に流行ったテンピュールなどがある。開発者のチャールズ・ホール(Charles Hall )は当初、ウォーターではなくJell-O、要はゼリーやコーンスターチ(でんぷん)で作ろうと試みており、強引に言えばゲルや生分解プラスチックの先駆けだったのかもしれない。
なんにしろ、1970年代以降に登場したポストモダン的身体はウォーターベッドからだなと。
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マットレス断面図 |
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体育館・スタジオ床断面図 |
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